Dernière Chaleur - Ritual Philosophy
« Codex Vivant Φ021 - Day 3 "poème" »

意識の糸が切れる音
脳幹がそっと手を離す合図
落ちる瞼は気絶の入口
誰のものでもない暗転だ

3 2 1 と数えてみる
副交感の波に乗る前に
サッカードを止めて呼吸を整えて
今日という露光を自分で閉じる

下ろすんだ自分の意志で
落ちるんじゃなくて看取るために
網膜の残像が沈んでいく先に
セナンクの独房みたいな
神に最も近い席がひとつ空いている
今日の臨終に君は立ち会う

朝に生まれて昼を生きた
夜は別の世界線との Contact
ヴォクリューズの泉のように
暗がりを抜けてしか
湧かないものがある

3 2 1 と数えてみる
最後のメンテナンスを終えて
デフォルトモードが立ち上がる
外側の8割を手放していく

下ろすんだ自分の意志で
落ちるんじゃなくて看取るために
ラベンダーの畑が記憶の底で揺れて
名前のない叡智たちが
僕の余白で静かに席に着く
今日という人生に愛を捧げて

気絶の前に瞼を下ろせたなら
シナプスは夜のあいだに編み直す
昨日まで尖っていた痛みの輪郭が
朝には少し丸くなっている

下ろすんだ自分の意志で
落ちるんじゃなくて看取るために
それは夜が運んだ贈り物じゃない

下ろすんだ自分の意志で
落ちるんじゃなくて看取るために
南仏の鐘が遠くで鳴るような

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